企業型確定拠出年金のポータビリティ活用で自動移管を回避する方法

企業型確定拠出年金のポータビリティ活用で自動移管を回避する方法 手続き

転職や退職をきっかけに、企業型確定拠出年金(企業型DC)で積み立ててきた資産の扱いに悩んでいませんか?
「退職したら積み立てたお金はどうなるの?」「手続きが面倒そう…」と思って、そのままにしてしまう方も少なくありません。

実は、企業型DCでは積み立てた資産を他の年金制度に「持ち運ぶ」ことができる仕組みがあります。これを「ポータビリティ」といいます。

企業型DCのポータビリティを知っておくことはとても重要です。でも、手続きを忘れてしまうと「自動移換」という少し厄介な状況になることも…。この記事では、ポータビリティと自動移換の仕組みについて詳しく解説します!

図は当社作成

ポータビリティってなに?どうして気にする必要があるの?

まず、「ポータビリティ」という言葉を聞き慣れない方も多いと思います。
簡単に言えば、「企業型DCで積み立てたお金を、転職先や他の制度に引き継げる仕組み」のことです。

これが重要な理由は、せっかく積み立ててきた資産を無駄にせず、老後の資金としてしっかり活用できるからです。
しかし、「持ち運びができる」と言っても、実際には以下のような条件や制約があります。

1)転職先が企業型DCを採用している場合
→ 新しい会社の企業型DCに資産を移換することができます。
2)転職先が企業型DCを採用していない場合
→ iDeCo(個人型確定拠出年金)に移換する必要があります。
3)一定期間内に移換手続きをしない場合
→ 資産は「国民年金基金連合会」に自動移換されてしまい、運用がストップします。

次は、1)~3)をもう少し詳しくみていきましょう。

図は当社作成

1)転職先が企業型DCを採用している場合

企業型DCを実施している企業に転職する場合、加入資格の対象者であれば、転職先の企業型DCに資産を移換できます。

2)転職先が企業型DCを採用していない場合

企業型DCからiDeCoへの移行は、特によく見られるパターンです。企業型DCに加入していた人が会社を退職すると、その積み立てた資産をiDeCoに移すことが一般的です。

企業型DCは退職と同時に加入資格を失ってしまうため、それまで積み立てた資産を持って制度の枠外に出なければなりません(ただし、企業型DCに加入したまま支給開始年齢を迎えた場合、そのまま企業型DCから老齢給付金を受け取ることが可能です)。

もし転職先でも企業型DCが実施されている場合、転職先の企業型DCに資産を移換することができます。しかし、公務員や自営業者になる場合、企業型DCのない企業へ転職する場合、求職活動中の場合、または結婚を機に専業主婦(夫)となる場合など、企業型DCに加入できない状況では、積み立てた資産をiDeCoに移換することが求められます。

iDeCoに移行すると、加入者として積み立てを続けるか、運用指図者として、現在の資産を新たに積み立てることなく、運用の指示だけを行うか、選択することができます。

3)一定期間内に移換手続きをしない場合

ここで注意したいのが「自動移換」という制度です。
退職や転職後、6か月以内に移換手続きを行わない場合、積み立てた資産は国民年金基金連合会(特定運営管理機関)に移されます。これを「自動移換」といいます。

自動移換になると、以下のデメリットが生じます:

  1. 資産の運用が止まる
    自動移換された資産は運用が行われません。そのため、老後資金としての成長がストップしてしまいます。
  2. 手数料が発生する
    自動移換されると、管理手数料が加入者負担となります。資産が減少する可能性があるため注意が必要です。
  3. 老齢給付金の受給要件に影響が出る
    自動移換中の期間は、年金の受給要件となる「通算加入者等期間」に含まれません。そのため、場合によっては受給可能年齢が遅くなるリスクがあります。

「自動移換だけは避けたい…」と思う方も多いのではないでしょうか?でも大丈夫です。次に、どうすればよいか具体的な解決策をご紹介します。

解決策:企業型DCのポータビリティをスムーズに進めるには?

転職や退職時にスムーズに資産を移換するためのステップをまとめました。

1. 退職時に企業型DCの状況を確認する

退職時には、必ず「確定拠出年金」の運用状況を確認しましょう。
どの金融機関が管理しているのか、いくら積み立てているのか、そしてどのように移換できるのか、退職時に説明を受けることが多いです。

2. 新しい会社での制度を確認する

転職先に企業型DCがある場合は、資産を引き継ぐ手続きが可能です。
新しい会社の人事担当者に「企業型DCの取り扱いがあるか」を確認しましょう。

3. iDeCoに移換する場合

もし新しい会社で企業型DCを利用していない場合は、iDeCoに移換する必要があります。
iDeCoに移すことで、運用を続けられるだけでなく、節税効果も得られるメリットがあります。

4. 期限内に手続きを済ませる

ここが一番大事なポイントです!
退職後6か月以内に手続きをしないと、資産が国民年金基金連合会に移されてしまいます。この場合、運用が止まり、手数料が引かれるため注意が必要です。

具体例:Aさんの転職ケース

Aさん(30代・会社員)は、転職を機に企業型DCをどうするか悩んでいました。
前の会社で約150万円の資産を積み立てていたものの、転職先では企業型DCを導入していませんでした。
そこでAさんは、iDeCoに移換することにしました。資金はいったん全額現金化されてはしまいますが、

iDeCoに移換後、これまでの資産を運用し続けられるだけでなく、毎月の掛金でさらに積み立てを増やせる仕組を継続できました。転職後も節税効果を享受しながら、老後資金をコツコツ増やすことができるようになりました。

まとめ:ポータビリティは「手続き」で解決できる!

企業型DCのポータビリティは、老後の資産形成を続ける上でとても重要な要素です。
転職や退職時に少し面倒だと感じるかもしれませんが、手続きをしっかり行えばあなたの大切な資産を守り、活用することができます。

もし今、企業型DCについて悩んでいる方がいれば、ぜひ今回の内容を参考にしてみてくださいね!

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