「企業型確定拠出年金（以下、企業型DC）は、大企業だけの制度」「従業員が50人や100人規模いないと導入できない」。そう考えている方も多いのではないでしょうか？
実は、これは大きな誤解です。
企業型DCは、従業員の規模に関係なく、条件さえ整えば中小企業はもちろん、ひとり会社の社長も導入できる制度です。
今回は、企業型DCの導入条件とともに、ひとり会社を含む中小企業の経営者にとってのメリットについて詳しく解説します。
加入者1名から制度導入
企業型確定拠出年金を導入できるのをご存知ですか？
企業型DCの導入条件
企業型DCの導入条件は、非常にシンプルです。厚生年金に加入している会社であれば、事業規模にかかわらず導入可能です。具体的には以下の条件を満たしていれば、どのような企業でも企業型DCを導入できます。
- 厚生年金に加入していること
企業型DCは、厚生年金に加入している従業員（もしくは経営者）が対象となる制度です。そのため、社長1人の会社でも厚生年金に加入していれば問題ありません。 - 金融機関との契約が成立すること
企業型DCを運用するためには、金融機関（運営管理機関）と契約する必要があります。一部の金融機関では「従業員が50人以上」などの基準を設定している場合もありますが、これは金融機関の方針であり、法律上の要件ではありません。
ひとり会社の社長でも導入可能な理由
企業型DCは、従業員の数にかかわらず、厚生年金に加入している企業であれば導入可能です。そのため、社長1人だけの会社（いわゆる「ひとり会社」）でも導入できる仕組みです。
ひとり会社の場合、導入する企業型DCの加入者は社長1人だけになります。掛金を企業が拠出し、社長個人の運用として積み立てていく形になりますが、これは制度上でも問題ありません。さらに、ひとり会社が企業型DCを導入することで得られるメリットは多岐にわたります。
例えば、ひとり会社の社長にとっての企業型DCのメリットとは？
1. 法人税の削減効果も
企業型DCでは、会社が拠出する掛金は損金として算入できるため、法人税の節税につながります。ひとり会社の場合、社長個人の資産形成をしながら、法人としての税負担を軽減することができます。
2. 個人の所得税と住民税も軽減
企業型DCの掛金は、従業員（この場合は社長自身）の課税所得に含まれません。そのため、社長個人の所得税・住民税の負担を減らすことができます。
3. 資産運用を通じた効率的な老後資金の準備
企業型DCは、積み立てた掛金を社長個人が運用し、将来の退職金や年金として受け取る仕組みです。ひとり会社の社長は、通常の会社員と異なり、退職金制度が整っていないことが多いため、企業型DCは老後資金を効率的に準備する手段として最適です。
4. 社会保険料への影響なし
企業型DCの掛金は給与扱いにはならないため、社会保険料の負担増を心配する必要がありません。給与を増やして老後資金を積み立てる場合と比較すると、企業型DCの導入は非常に合理的です。
まとめ
企業型DCは、大企業だけでなく、中小企業やひとり会社の社長でも導入可能な制度です。厚生年金に加入している限り、従業員の人数にかかわらず導入が認められています。
ひとり会社の社長にとっては、老後資金の準備という観点で大きなメリットがあります。
社長ご自身の退職金準備として、企業型DCを活用する方が増えています。「うちの会社では難しいかも」と思われるかもしれませんが、実は多くの企業で導入が可能です。
専門家に相談すれば、会社に合った最適なプランを見つけることができます。将来の安心のために、今こそ一歩を踏み出しましょう。
まずはお気軽に無料相談をご利用ください！
コメント