企業型確定拠出年金(企業型DC)を導入して、いざ将来の資産形成に取り組もうとしたものの、「どの商品を選べばいいのか分からない」と悩む方は少なくありません。
商品ラインナップを見ると、定期預金や投資信託など多くの選択肢があり、どれが自分に合っているのか迷ってしまいますよね。
また、年齢によっても適切な商品選びは異なります。20代・30代の方が選ぶべき商品と、50代の方が選ぶべき商品では、リスクの取り方や運用方針に大きな違いがあります。
自分のライフステージに合った商品を選ぶことが、企業型DCでの運用を成功させる鍵です。
この記事では、企業型DCの商品選びの基本と、年齢に応じた運用の考え方をわかりやすく解説します。将来の資産形成に役立つ情報を、ぜひチェックしてみてください!
企業型DCの商品は「守り」と「攻め」の2タイプ
企業型DCには、「元本確保型」と「元本変動型」という2種類の運用商品があります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った組み合わせを見つけることが第一歩です。
元本確保型は、定期預金や保険が該当します。その名の通り、元本が守られることが最大の特徴で、投資リスクを避けたい人には安心な選択肢です。満期まで保有することで元本と利息を受け取れるため、安全性が重視されます。ただし、現在の低金利では資産を大きく増やすのは難しく、特にインフレ(物価の上昇)による実質的な価値の減少には注意が必要です。
一方、元本変動型は、株式や債券、REIT(不動産投資信託)を対象とした投資信託が中心です。市場の動きによって資産の増減があるためリスクもありますが、その分リターンを狙える商品です。資産運用の醍醐味を感じられる一方で、手数料や市場動向をしっかりと理解することが求められます。
年齢ごとに異なる「リスク許容度」
企業型DCの選び方を考える上で、年齢は重要な要素です。若い時期にはリスクを取ってリターンを狙う運用が可能ですが、定年が近づくにつれて守りの姿勢が求められます。
若い時期は、定年までの時間が長い分、大胆な運用が可能です。例えば、株式を中心とした投資信託で積極的な運用をすることで、長期的な資産増加を目指せます。市場が一時的に下落しても、時間をかけて回復する可能性が高いのがこの年代の強みです。
中年期に入ると、リスクとリターンのバランスを取ることが大切になります。この時期は、株式と債券を組み合わせたバランス型の投資信託が適しています。資産を増やしつつも、過度なリスクを避ける運用が安心です。
元本変動型の「投資信託」をどう選ぶ?
元本変動型の中心である投資信託は、選択肢が非常に多いですが、基本的な仕組みを押さえれば迷わず選べるようになります。投資信託は、株式や債券、不動産などに分散投資をする仕組みで、初心者にも始めやすい運用商品です。
金融商品は世の中に数千種類以上ありますが、企業型DCでは、その膨大な中から厳選されたラインナップが用意されています。これは、従業員が迷わず選びやすいように設計されているため、初めて資産運用を行う方でも取り組みやすい特徴があります。
企業型DCでは、選択肢が多すぎることで陥りがちな「選択肢が多すぎることで生じる迷い」を避け、効率的に最適な商品を選ぶ環境が整っています。
運用手法
- パッシブ型: 市場平均(インデックス)に連動。初心者向け。
- アクティブ型: 市場平均を上回るリターンを目指す。リスクを許容できる方向け。
- バランス型: 資産を分散。初心者やリスクを抑えたい人に最適。
パッシブ型は、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などの市場平均に連動する運用を目指す商品で、シンプルな仕組みが特徴です。運用にかかるコストが抑えられるため、手数料が安い点も魅力で、初心者にとっても分かりやすい選択肢です。
アクティブ型は、専門家が市場平均を上回る成果を目指して積極的に運用するスタイルです。市場や企業の詳細な分析に基づき、高いリターンを狙える反面、手数料が高くなる傾向があり、運用結果が市場環境に大きく影響される場合もあります。リスクを許容できる方向けの選択肢といえるでしょう。
バランス型は、株式や債券、その他の資産を組み合わせて分散投資を行う手法です。リスクを抑えつつ安定的なリターンを目指すため、初心者や長期的な資産形成を目指す方に適しています。
従業員に求められる投資知識と企業のサポート
企業型DCは、従業員が主体的に運用する制度です。しかし、「投資は怖い」「よく分からない」といった理由から、定期預金だけに拠出する人も少なくありません。そこで重要なのが、従業員への投資教育です。会社が提供するセミナーや運用管理機関のサポートを活用し、基本的な知識を身につけることが大切です。
例えば、運用商品の特徴やメリット・デメリットを分かりやすく説明した資料を用意したり、専門家による相談会を開催することで、従業員の理解を深めることができます。
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