【導入事例】中小企業が企業型DCを導入する7つの理由とメリット

企業型DCよくある質問

企業型DCには様々なメリットがあると言われていますが、実際に導入を決めた企業は、どのような背景や課題を抱えて導入の検討を始めたのでしょうか?

今回は、実際の企業の導入事例集をもとに、会社が企業型DCの導入を検討し、実際に始めた「7つのリアルな理由(きっかけ)」をブ詳しくご紹介します!自社の状況と照らし合わせながら、ぜひ参考にしてみてください。

一目でわかる!導入事例と課題のまとめ

事例(業種 / 規模) 導入前の課題・きっかけ 導入したDCの形・解決策
総合建設業(9名) 社員からのiDeCo相談 企業型DC(選択制)へ
タクシー業(75名) 危機的状況下の不安払拭 65歳まで加入可能な選択制
情報通信業(10名) 給与増額分を老後資金に 基本給付金+選択制
情報通信業(15名) 曖昧な退職金ルールの整備 職能資格等級別の掛金設定
商社(約80名) 若手確保と金融知識の向上 従来の一時金とDCを併用
不動産管理業(12名) 社員の自助努力を支援したい マッチング拠出の採用
経営コンサル業(10名) 既存のDB年金の運用リスク DBからDCへの制度移行

会社が企業型DCの導入を検討した7つのリアルな理由

理由1:従業員からの「老後不安・iDeCoの相談」に応えるため

【事例】 総合建設業 / 従業員数9名

「老後2,000万円問題」の報道に不安を覚えた従業員から、「個人のiDeCo(イデコ)に加入したい」と相談を受けたことがきっかけでした。
当初、事業主自身も確定拠出年金の制度をよく分かっていませんでしたが、従業員の将来を考えて退職金制度の相談を行ったそうです。

結果として、個人のiDeCoよりも掛金の拠出限度額が高く、各種手数料も会社負担となるため、従業員にとって圧倒的にメリットが大きい「企業型DC(選択制)」の導入に至りました。従業員のSOSが、会社の制度を動かした素晴らしい事例です。

理由2:危機的状況下で「従業員に安心感」を与えるため

【事例】 タクシー業 / 従業員数75名

将来に不安を覚える従業員に「少しでも安心してもらいたい」と、事業主が退職金制度の導入を検討し始めました。

中小企業退職金共済制度(中退共)と比較検討した結果、役員を含めて制度を利用できる点や、高齢の社員が多い中でも資格喪失年齢を65歳まで延ばすことで、今からでも十分な資産形成が可能である点が評価され、選択制の企業型DC導入が決定しました。

理由3:業績好調による「給与増額分」を老後の資産形成へ活かすため

【事例】 情報通信業 / 従業員数10名

事業が軌道に乗ったことから、社長が従業員の給与増額(ベースアップ)を予定していました。しかし、単に給与として上乗せするのではなく、従業員の老後を考え、その増額分を確定拠出年金の掛金として拠出することを検討しました。

その後、従業員説明会で意見を聞いたところ、「一部は現金で受け取り、残りを掛金にしたい」という声が上がり、全額を会社が掛金として出すのではなく、従業員が自由に選べる「基本給付金+選択制」という柔軟な形に変更して制度をスタートさせています。

理由4:曖昧だった「退職金ルール」を明確化するため

【事例】 情報通信業 / 従業員数15名

これまで民間生命保険で資金準備をしているだけで、「誰にいくら退職金を支払うのか」という確固たるルールが確立されていませんでした。
そこで、曖昧だった現行の退職一時金を廃止し、その代替として企業型DCの検討を開始しました。

社員の会社への貢献度や能力を反映できるよう、職能資格等級別(1級から9級まで)の掛金設定を行い、明確なルールを作ったことで、社員の安心感と会社へのロイヤリティ向上に繋がりました。

理由5:若手世代の雇用確保と、社内全体の「金融知識向上」のため

【事例】 商社 / 従業員数約80名

従来の退職金制度をリニューアルし、より退職金額を上積みした新制度への移行を目指して企業型DCの検討を始めました。
この事例の特徴は、従来の退職一時金制度を廃止せず、企業型DCと併用した点です。

会社は、企業型DCを導入することで「若い世代の雇用の確保」に繋がることや、自ら運用を行うことで「社内全体の金融知識の向上」が図れるという、人材教育の一環としての役割も期待して導入を決断しました。

理由6:あえて社会保険料軽減を狙わず、「自助努力」を支援するため

【事例】 不動産管理業 / 従業員数12名

退職金制度の導入を検討する中で、一般的な「選択制(給与の一部を減額して掛金にする)」ではなく、「マッチング拠出」での導入を選択しました。

選択制は社会保険料の負担軽減効果が期待できるのが特徴ですが、この企業は「会社としては社会保険料の負担軽減は求めていない」と判断しました。
会社が一定額(一律5,000円)の掛金を支出し、それに上乗せして従業員自身も給与から掛金を出せる(マッチング拠出)仕組みを作ることで、純粋に退職金の提供と従業員の自助努力を支援する道を選びました。

理由7:既存の企業年金の「会社の運用リスク(負担変動)」を解消するため

【事例】 経営コンサルティング業 / 従業員数10名

この企業はすでに「確定給付企業年金(DB)」に加入していましたが、DBは運用実績によって会社が負担する掛金が変動し、不安定になるという大きな課題を抱えていました。

そこで、会社の財務リスクを解消しコストを明確にするために、運用責任を会社ではなく従業員個人が持つ「企業型DC」への資産移換(制度移行)を検討しました。
結果として、従業員全員の同意を得て、無事にDBからDCへの移行を成功させています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。企業型DCの導入を検討する理由は、企業によって実に様々です。

  • 従業員からの切実な声(老後不安)
  • 採用力強化や福利厚生の拡充
  • 曖昧な退職金ルールの明確化
  • 既存制度(DBなど)のリスク解消

単に「節税になるから」という理由だけでなく、自社が抱えている課題は何なのか、従業員にどうなってほしいのかという目的を明確にすることが、制度導入を成功させる一番の近道です。ぜひ、自社に最適な退職金・福利厚生制度のあり方を検討してみてください!