【導入事例】なぜ中小企業は「企業型DC」を始めた?7つのきっかけ

基本情報

導入を果たした企業は、最初から「企業型DC」の仕組みを熟知していたわけではありません。多くの場合、日々の経営課題や従業員からの些細な声が「きっかけ」となり、制度を知り、検討を始めています。

今回は、「SBIいろどりプラン」の導入事例をもとに、中小企業が企業型DCを知った・導入を検討し始めた「7つのリアルなきっかけ」をご紹介します。自社の状況と似たケースがないか、ぜひ参考にしてみてください!

7つのきっかけ一覧

事例 業種/従業員数 きっかけの概要
きっかけ1 総合建設業/9名 従業員からの「iDeCoに加入したい」という相談
きっかけ2 タクシー業/75名 コロナ禍で「従業員に安心感」を与えたい
きっかけ3 情報通信業/10名 業績好調に伴う「給与増額」の有効活用
きっかけ4 不動産管理業/12名 純粋な「新たな退職金制度」の導入手段として
きっかけ5 商社/約80名 既存の退職金制度の「上積み・リニューアル」
きっかけ6 情報通信業/15名 ルールの曖昧な「退職一時金」の廃止・代替
きっかけ7 経営コンサルティング業/10名 既存の企業年金(DB)の「運用リスク」回避

きっかけ1:従業員からの「iDeCoに加入したい」という相談

総合建設業/従業員数9名
  • 「老後2,000万円問題」で将来に不安を覚えた従業員からの相談が発端。
  • 事業主も専門機関へ相談し、企業型DCの存在を知る。
  • 個人のiDeCoより、掛金限度額が高く手数料が会社負担となる「企業型DC(選択制)」の方が従業員メリットが大きいと判明。

一つ目のきっかけは、従業員からの直接の相談です。「iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入を検討したい」と事業主へ相談が持ちかけられました。実はこの時、事業主自身も公的年金への不安を抱えていたものの、確定拠出年金制度についてはよく分かっていませんでした。しかし、「従業員の将来のために」と専門機関へ相談した結果、企業型DCの方が圧倒的に従業員メリットが大きいと分かり、導入に至りました。

きっかけ2:コロナ禍の危機的状況で「従業員に安心感」を与えたい

タクシー業/従業員数75名
  • 経営環境の悪化による不安を払拭し、従業員を安心させたいという思い。
  • 役員も加入できる点や、高齢社員でも資格喪失年齢を65歳まで延ばせる点が響く。
  • 「今からでも資産形成が可能である」という希望が導入の決め手に。

二つ目は、経営環境の悪化による不安を払拭したいという経営者の思いです。新型コロナウイルスの影響下で、事業主が退職金制度の導入を検討し始めました。当初は「中退共」を調べていましたが、問い合わせをきっかけに企業型DCの仕組みを理解。高齢社員でも長く資産形成ができる点にメリットを感じ、選択制の企業型DC導入を決定しました。

きっかけ3:業績好調に伴う「給与増額(ベースアップ)」の有効活用

情報通信業/従業員数10名
  • 業績好調による給与増額分を、従業員の老後資金として有効活用したい。
  • 全額強制ではなく、「現金で受け取るか、掛金にするか」を選べる選択制を採用。
  • 従業員説明会でのヒアリングを通じて、納得感の高い制度設計に着地。

三つ目は、会社の業績好調によるポジティブなきっかけです。社長は給与増額を予定していましたが、全額をそのまま支給するのではなく「老後のために確定拠出年金に充てられないか」と考えました。同社には退職金制度がなかったため、福利厚生の拡充として非常に有効と判断されました。

きっかけ4:純粋な「新たな退職金制度」の導入手段として

不動産管理業/従業員数12名
  • これまで退職金制度がなかった企業が、従業員のために制度導入を検討。
  • 社会保険料の軽減効果は求めず、会社が定額を拠出する形を希望。
  • 従業員自身も給与から上乗せできる「マッチング拠出」が自社のニーズに合致。

四つ目は、新しい退職金制度を探していたケースです。企業型DCといえば「選択制」が注目されがちですが、この企業は会社として掛金を拠出する仕組みを求めていました。そこで、会社掛金に加えて従業員が自ら掛金を上乗せできる「マッチング拠出」を知り、導入を決めました。

きっかけ5:既存の退職金制度の「上積み・リニューアル」を目指して

商社/従業員数 約80名
  • 既存の「退職一時金制度(ポイント制)」のさらなる充実(上積み)を図るため。
  • すべてをDC化せず、「従来の退職金」+「企業型DC」のハイブリッド設計へ移行。
  • 若手層の雇用確保や、社内の金融リテラシー向上という副次効果にも期待。

五つ目は、すでに退職金制度がある企業が、さらなる充実を図るためのきっかけです。従来の制度に慣れた社員に配慮し、すべてをDCに一本化するのではなく併用する形を選択しました。人材教育の役割も期待できる点が導入を後押ししました。

きっかけ6:ルールの曖昧な「退職一時金」の廃止と代替措置

情報通信業/従業員数15名
  • 生命保険で退職金準備はしていたが、「誰にいくら払うか」の明確なルールがなかった。
  • 曖昧な現行制度を廃止し、代替としてDCを検討。
  • 社員の貢献度や能力に応じた職能資格等級別(9段階)のきめ細かい掛金ルールを構築。

六つ目は、社内の曖昧なルールを整備したいという課題感です。「現行の退職一時金を廃止してDCにしたい」と資料請求を行ったのが発端です。専門家と制度設計を進める中で、社員の貢献度に応じて掛金額に差をつける明確なルール作りに成功しました。

きっかけ7:既存の企業年金(DB)の「運用リスク」への危機感

経営コンサルティング業/従業員数10名
  • 既存の確定給付企業年金(DB)における、追加拠出リスク(運用悪化時の会社負担)に悩まされていた。
  • 財務リスクを解消し、コストを明確化するために相談。
  • 運用責任を個人が負う企業型DCへの移換(別制度への移行)を無事に完了。

最後は、他の企業年金制度が抱えるリスクから逃れるためのきっかけです。運用実績によって会社負担が変動するDBの財務リスクを解消するため、企業型DCへの移行を検討しました。従業員の同意を得た上で、無事に資産移換と制度移行を成功させています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。企業型DCを知り、検討を始めるきっかけは「従業員からの老後相談」「コロナ禍での不安払拭」「業績好調による還元」「既存の退職金・年金制度の見直し」など、企業によって実に様々です。

共通して言えるのは、最初から「企業型DC」の複雑な仕組みを完璧に理解していた経営者は少なく、何らかの経営課題や従業員への思いがトリガーとなって専門機関へ相談し、自社に最適な制度設計を見つけ出しているということです。

「うちの会社には難しそう」と思わず、自社が抱えている課題を解決する手段として、ぜひ一度企業型DCの導入を検討してみてはいかがでしょうか!