「企業型確定拠出年金(企業型DC)を自社にも導入したい!でも、手続きに4ヶ月から6ヶ月もかかると聞いて驚いた」
導入を検討される経営者様や人事担当者様から、このようなお声をよくいただきます。掛金が非課税になり、社会保険料の負担軽減効果も期待できるなど、企業にも従業員にもメリットの大きい制度ですが、お申し込みをしてすぐに始められるわけではありません。
では、なぜそれほどの時間がかかってしまうのでしょうか?
今回は、導入までの期間が長くなる理由と、具体的な3つのステップについて分かりやすく解説します!
なぜ導入に時間がかかるのか?全体の流れ
結論から申し上げますと、企業型確定拠出年金は「国の公的な年金制度」であるため、法律に則った厳格な手続きが必要になるからです。
大きく分けると、以下の3つのステップを順番に進めていくため、トータルで4〜6ヶ月ほどの期間を要します。
- 社内での制度・規程づくり(約1〜2ヶ月)
- 国(地方厚生局)の申請・審査期間(約2〜3ヶ月)
- 従業員様の口座開設・準備期間(約1ヶ月)
それでは、各ステップで具体的にどのようなことを行うのか、詳しく見ていきましょう。
【ステップ1】社内での制度設計と規程づくり(約1〜2ヶ月)
まずは、自社に合わせた制度設計を行います。例えば、掛金の設定方法(給与に上乗せするのか、給与の一部を減額する「選択制」にするのかなど)を決め、従業員様への説明会を開催します。
そして、このステップで最も重要になるのが「就業規則の改定と確定拠出年金規程の作成」です。
企業型DCを導入するには、既存の就業規則を制度に合わせて改定し、新たに「確定拠出年金に係る規程」を作成しなければなりません。正社員だけでなく、契約社員など従業員区分ごとに異なるルールがある場合は、それらも併せて整備して提出する必要があります。
法律の要件を満たす正確な書類を作成する必要があるため、「SBIいろどりプラン」などでは提携する社会保険労務士(プロ)に依頼して進めるのが一般的です。この社内での合意形成や、専門家による書類整備のやり取りに、どうしても1〜2ヶ月のお時間をいただきます。
【ステップ2】スケジュールの大部分を占める!国(厚生局)の審査(約2〜3ヶ月)
社内の書類が整ったら、次はいよいよ国(地方厚生局)への規約承認申請です。実は、ここがスケジュールの大半を占めるポイントになります。
企業型DCは国が税制優遇を認める制度であるため、対象企業が制度を適正に運用できるかどうかが厳しく審査されます。審査で見られる主なポイントは以下の通りです。
- 厚生年金の適用事業所であること
- 就業規則や確定拠出年金規程に法律上の不備がないこと(不備があると却下されることがあります)
- 法人の登記情報や社会保険料の納入状況に問題がないこと
申請時には「履歴事項全部証明書」や「保険料納入告知額・領収済額通知書」などの公的書類も提出し、内容に齟齬がないか細かくチェックされます。
さらに、スケジュールには明確なルールがあり、「制度開始月の3ヶ月前の末日」までに厚生局への申請を完了させなければなりません。例えば、4月に制度を開始したい場合は、前年の12月末までに申請を終える必要があります。この「国の審査待ち」の期間が、導入に時間がかかる最大の理由と言えます。
【ステップ3】従業員様の口座開設と運用準備(約1ヶ月)
無事に厚生局の承認が下りた後も、すぐに掛金の引き落としが始まるわけではありません。
制度開始に向けて、従業員様一人ひとりの専用口座(確定拠出年金口座)を開設し、加入者情報の登録等の手続きを行います。
その後、従業員様ご自身に運用商品(投資信託や定期預金など)を選んでいただく期間が必要です。この一連の運用準備期間として、制度開始までにさらに約1ヶ月を見込んでいます。
まとめ〜導入をご検討なら早めのスタートを!〜

いかがでしたでしょうか。企業型確定拠出年金の導入に4ヶ月〜6ヶ月かかるのは、決して手続きが煩雑で遅いわけではなく、「就業規則の整備」や「国による厳格な審査」を確実にクリアし、従業員様の大切な資産を安全に管理するための必須期間だからです。
「来月から始めたい!」と思ってもすぐには開始できないため、導入にご興味がある場合は、ご希望の開始時期から逆算して、半年ほど前から余裕を持って準備を始めることをおすすめします。
当社では、制度設計のアドバイスから提携社会保険労務士による規程作成のサポート、導入後の投資教育まで、スムーズに運用をスタートできるよう充実したバックアップ体制を整えております。ご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください!


