会社で新しく企業型確定拠出年金(企業型DC)が導入されることになった!でも、自分はすでに個人でiDeCo(イデコ)をやっている……。この場合、iDeCoはどうなるの?一緒に続けることはできるの?と疑問に思う方は多いですよね。
結論から言うと、企業型の加入者となった場合でも、原則としてiDeCo(個人型)との「同時加入(併用)」は可能です。2022年10月の法改正により、会社の規約に定めがなくても原則併用できるようになりました。
今回は、今までのiDeCoとこれからの企業型DCをどう組み合わせるか「5つのパターン」と、それぞれの「絶対に知っておきたい注意点」を分かりやすく解説します!
パターン1:両方に掛金を出す「同時加入(併用)」
企業型DCで会社から掛金を出してもらいながら、並行してiDeCoでも自分自身の掛金を拠出し続ける「併用」のパターンです。両方の制度の枠を使いながら、積極的に資産形成を進めたい方に向けた選択肢です。
【要注意】掛金の上限額について
2026年12月の法改正により、この拠出限度額が月額6.2万円へと引き上げられ、今後はさらに併用しやすくなる予定です!
パターン2:iDeCoを「運用指図者」として残す
自身の希望に応じて、年金資産を企業型DCに移換せずに個人型(iDeCo)に残し、「運用指図者」となることも可能です。この場合、iDeCo側での新たな掛金の積み立てはストップしますが、これまで積み立てた資産の運用のみを非課税のまま続けることができます。
パターン3:iDeCoの資産を企業型DCへ「移換」してまとめる
現在iDeCoで保有している資産を企業型DCの口座へ移換(お引越し)して一つにまとめるパターンです。管理画面が一つになるため、日々の運用状況の把握が非常に簡単になります。
【要注意】現金化による「タイミング・リスク」
移換する際、iDeCoの運用商品は一旦すべて売却され「現金化」されます。そのため、売却から企業型DCでの再購入までの期間に市場が大きく変動するリスクがあることは理解しておきましょう。
パターン4:企業型には加入せず、iDeCoだけを続ける
会社が、給与の一部を掛金にするか給与として受け取るかを選べる「選択制DC」を導入している場合、企業型DCに加入しないことを選択できます。この場合は、引き続き加入者または運用指図者としてiDeCoのみを続けることが可能です。
パターン5:iDeCoの代わりに「マッチング拠出」を活用する
会社が、事業主掛金に加えて自身の給与からも積み立てができる「マッチング拠出(加入者掛金)」を採用している場合があります。マッチング拠出もiDeCo同様、全額が「所得控除」の対象となり手厚い税制優遇が受けられます。
【要注意】iDeCoとの併用は不可&2026年の大改正!
「マッチング拠出」と「iDeCo」はどちらか一方しか選べません(同時併用不可)。
なお、2026年4月の法改正により、これまで「事業主掛金の範囲内」に制限されていたマッチング拠出の金額上限が撤廃され、より柔軟に自身の資金を上乗せできるようになりました。これにより、iDeCoからマッチング拠出へ乗り換えるメリットが非常に大きくなっています。
まとめ:どのパターンを選ぶべき?「コストと期限」に注目!
これら5つのパターンで迷った際、ぜひ注目していただきたいのが「毎月の口座管理手数料」です。
例えば、SBI証券のiDeCoの場合、手数料として運用指図者になった場合の月額66円(事務委託先66円、SBI 0円)が自己負担となりますが、企業型DCの場合、制度運営に係る手数料は「基本的にすべて会社負担」となります。そのため、パターン3のように資産を企業型DCへ一本化すれば、個人の手数料負担をなくせるという大きなメリットがあります。
⚠️ 最後に:手続きの「期限」に絶対注意!
iDeCoから企業型DCへ資格変更や移換を行う場合、企業型DCの加入資格を得てから原則「6ヶ月以内」などの期限があります。これを放置すると、資産が「自動移換」されてしまい、余計な手数料を引かれた上に運用もストップしてしまうという最悪の事態になりかねません。
まずは自社に導入される企業型DCのルール(マッチング拠出や選択制の有無)をウェブサイトや資料で確認し、手数料、運用商品のラインナップ、ご自身のライフプランを総合的に判断して最適なパターンを選んでみてくださいね!


